ファッションロー ① -プロローグ-

はじめに

本サイトのタイトルでもある「ファッションロー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ファッションローは、私自身が専門的に取り組んでいる法分野です。
多くの先生方のお力により、ファッションローの存在がだいぶ認知されるようになってはきましたが、ファッション業界でもまだまだ知られていないのが現状です。
このファッションローを知ることは、ファッションの新たな魅力を発見することであり、これからのファッションの発展につながると信じています。
そこで、シリーズでファッションローについてご紹介していきたいと思います。
不定期での更新になると思いますが、お付き合いいただけたら嬉しいです。
 

ファッションローってなに?

ファッションローとは、ファッション業界やファッション産業に関わる知的財産法や契約法、会社法、労働法、国際取引法などの総称です。
「ファッションロー」という名前の法律があるわけではなく、「エンタテイメント法」や「スポーツ法」などと同様、ファッション業界・産業を単位として、法分野を横断的に括った領域を指します。

・私がデザインしたのと全く同じデザインの服が売られているのでなんとかしたい!
・海外ブランドのコスメを日本の店で売りたいのですが、法規制はありますか?
・スタイリストが出版社から仕事を頼まれた場合、どんな契約書を作ればいいですか?
・今働いているアクセサリーショップで残業代が支払われません…
・「ノベルティとしてもらったリップクリームが原因で唇が炎症を起こした」とのお客様のクレームにどう対処したらいいでしょうか?
・アパレル企業を経営していますが、ライフスタイル雑貨に強みを持つ他社を買収したいです。

このように、知的財産権からビジネス、国際取引、消費者保護に至るまで、ファッションに関わるさまざまな問題をカバーするのがファッションローです。
これらの問題を解決することでファッションの健全性を高め、ひいてはファッションをさらに発展させることが、ファッションローの究極の目的といえます。
他方、ファッションデザインやファッションブランドの知的財産法の分野を、特にファッションローと呼ぶこともあります。
これは、近年、インターネット・SNSや3Dプリンタなどの新しいサービスや技術の発展、LVMHやケリングなどの巨大コングロマリットの登場、独自の大量生産システムを誇るファストファッションブランドの台頭により、ファッションデザインのコピーが深刻な社会問題となり、ファッションに関する知的財産権への問題意識が急速に高まったためであると言われています。
 

ファッションローの歴史

ファッションローがいつ誕生したかについては諸説ありますが、ファッションローの存在が世界的に広く認知されるようになったのは、アメリカの弁護士であるスーザン・スカフィディ氏が、2006年、ニューヨーク・マンハッタンにあるフォーダム大学ロースクールに初めてファッションローコースを創設したことがきっかけです。
その後、2010年、同氏は、世界的デザイナーであるダイアン・フォン・ファステンバーグ氏とアメリカファッション協議会(CFDA)の協力を得て、世界初のファッションローの学術センターであるファッション・ロー・インスティテュートを設立しました。
日本でも、2015年4月、ファッション・ロー・インスティテュート・ジャパンが設立され、ファッションローの調査研究や教育活動を展開しています。なお、ファッション・ロー・インスティテュート・ジャパンは、知的財産教育協会内に設置されているとおり、知的財産法分野をメインに取り扱っています。
 

さいごに

今回は、ファッションローのごくごくさわりだけをご紹介しました。
次回以降、少しずつファッションローの中身に入っていきたいと思います。
できるだけシンプルでわかりやすくお伝えしていこうと思いますので、お楽しみに。

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